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オプジーボ ! オプジーボ ! ブラーボ !

 

ノーベル生理学・医学賞受賞の本庶佑先生の研究から開発された免疫チエックポイント阻害薬オプジーボの院内勉強会がありました。あらためて言うまでもなく、オプジーボは、まったく新しい作用で、多くのがん患者さんを救っている、がん治療薬です

 

「PD-1」という分子を京都大学の本庶佑名誉教授らの研究チームが発見したのは1992年。小野薬品との共同研究でPD-1が免疫抑制に関わっている仕組みが分かったのは99年で、オプジーボのの研究開発が本格的に始まるまでにおよそ7年。実際の治療薬候補が完成し治験が始まったのは2006年、開発から実用化までにおよそ15年かかっています。

 

初期は「癌の免疫療法は効果が弱い」「切った(手術)方が早い」など免疫療法に対する医療業界の反応は冷ややかだったようです。医師や学会だけでなく、数々の抗がん剤を実用化した製薬大手も開発に消極的だったそうです。そのようななかで、数々の困難を乗り越え世界に先駆け製品化にこぎつけたことは 素晴らしい! としか言いようがありません。

 

並べて語るのはおこがましいのですが、私自身楽器の研究開発に携わり、お手本のない開発の困難さを経験してきました。また、当時勤務していた会社では、オリンピック選手などのトップアスリートのバックアップをしていました。多くのアスリートを見てきた先輩から、「運動の才能のある選手はいっぱいいる、トップにはなれるのは努力ができる選手だけ」とたびたび聴かされ、妙に納得していました。困難を継続的な努力で乗り越えるような浪花節が私にはピッタリするのかもしれません。

 

今回は そんな あれこれを考えさせられました。

 

オプジーボの、トマト内科に関係するような副作用として「1型糖尿病の発症」「甲状腺疾患の発症」があります。どちらも免疫が関連する疾患と言われていて、免疫チエックポイント阻害薬オプジーボの副作用として出現するようです。

 

オプジーボは現時点では総合病院で投与され、総合病院でのフォローがされていますので、クリニックに患者さんが症状を訴えて来院される可能性は少ないと思います。

 

オプジーボは投与終了し数年してからも副作用が出現することがあるそうです。オプジーボの投与終了の明確な基準はないそうですが、今後、投与終了した患者さんが「1型糖尿病」「甲状腺疾患」などの症状を訴えトマト内科に来院される可能性はあるように思います。

 

トマト内科が、がんという困難を乗り越えてきた患者さんのお力になれれば、と願っています。

 

院長 増渕