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糖尿病性腎臓病(DKD)

7/19(木)昼 Webセミナーによる院内勉強会に参加いたしました。題目は『糖尿病性腎臓病(DKD “Diabetic Kidney Disease”)の概念と診断基準』です。 

 

従来の古典的な糖尿病性腎症では、尿中のアルブミンがしだいに増加し、正常アルブミン尿→微量アルブミン尿→顕性アルブミン尿の段階を経ながら腎機能がしだいに低下していきます。

 

したがって、尿中の微量アルブミンをモニターすることで、腎機能の悪化が予想でき、透析導入を抑制することができます。このため尿中の微量アルブミン測定はとても重要な検査です。しかし、驚いたことに医療機関を受診している糖尿病患者さんで尿中微量アルブミンの検査が行われている方は16%程度しかいないそうです。

トマト内科では糖尿病患者さんで、尿が出せる方の、ほとんど全員の尿中微量アルブミンを迅速検査で測定してお知らせし、腎臓の機能低下を事前に予防し、透析導入に至らないように細心の注意を払っています。

 

一方、糖尿病治療の進歩により、古典的な経過をたどらずに腎機能がどんどん低下する患者さんが、少し増えているそうです。このためDKDの概念が提出されました。DKDは、正常アルブミン尿の段階であっても腎機能が低下するような状態をいいます。DKDでは尿中微量アルブミンのような腎機能の悪化を予測する手段が現時点では存在しないとのことでした。

 

まだまだ古典的な糖尿病性腎症が大多数ですが、今後DKDの患者さんが増えてくると思われます。

これからは、

「腎機能が悪くなってきた、でも正常アルブミン尿だから大丈夫」ではなく、

「腎機能が悪くなってきた、正常アルブミン尿でも腎機能低下は早いかもしれない」 

と慎重にならなければいけないと思いました。 

 

腎機能が低下している患者さまにも減量することなく服用可能なDPP4阻害剤の一つとして「テネリア」があります。詳しくは診察の際ドクターにお聞きください。 

 

事務 太田