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HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)

日本糖尿病学会から発行される糖尿病治療ガイド。2年に1回改定される、私たち糖尿病に関わる医療関係者必読の本です。5月に新版が発行されました。

 

表紙には〇で囲んだところにHbA1cと書かれています。HbA1cは血糖コントール状態を知るだけではなく、急性発症1型糖尿病、劇症1型糖尿病といった緊急対応が必要な状態を診断する上でも重要な指標です。

 

今回の糖尿病治療ガイドでは、HbA1cの測定に「NGSP認証を取得している機器を使うこと」「機器や測定方法でばらつきがあり慎重さが求められること」が追記されています。最近普及しているPOCT機に対する問題提起でしょうか。トマト内科では大学病院で採用されているHPLC法による認証機器を使用していますので、問題ないように思います。これからも、これまで以上の万全の検査を行っていきます。

 

HbA1cは過去2か月程度の血糖値の平均を表す指標です。採血直前に食事をしても、高くなることはありません。

健康診断などで再検査の対象となることがあるHbA1cの解釈は、下記が目安となります。

6.5%以上 現在糖尿病の可能性が高い。

6~6.4%  糖負荷試験を行うことが強く推奨される。現在糖尿病の可能性がある。

5.6~5.9% 糖負荷試験を行うことが望ましい。今後糖尿病になる可能性が高い。発症予防をしていくことが必要。

 

HbA1cの数値だけでは、通常、糖尿病の確定診断はしません。糖負荷試験などと組み合わせて糖尿病の診断を行います。

糖負荷試験は糖尿病の検査で最も感度が高い検査です。トマト内科では前日夜9時以後は絶食(水はOK)で、朝9時ごろまでにご来院いただくことで、糖負荷試験を行うことができます。できれば前日までに電話予約またはメール予約をお願いいたします。

 

院長 増渕